SaaSと自社内運用、本当に得なのはどっち?
という記事があって、かつてはASPという提供側にいる立場から、また、利用を検討する立場になって、改めて、お互いの認識に「ずれ」というか「違和感」というものを感じたので、ちょっと、その違和感を書いてみることにした。

この記事の冒頭にも書いてあるのだが、

「情報処理システムの活用において、「所有から利用へ」といった流れが着実に進んでいることは確かなようである。情報処理システムも今後、電気・ガス・水道などといった社会インフラと同じような道筋をたどり、ユーザー企業は自社で情報処理システムをまったく所有しなくなるという見解さえある。だが一方で、ある程度長い目でトータルコストを見ると、「所有」の方が負担は少ないのではないかという声もある。「レンタカーは便利だが、毎日車に乗るのであれば自家用車を購入した方が安上がりである」という例えを耳にした方も少なくないだろう。」

しかし、私は「レンタカー」と「自家用車」よりも、まだ「電車」か「自家用車」か?の方がたとえにあっている気がする。

ASP/SaaSとも、IT系企業が利用者となる場合には、ある程度、外部から見てもその内部の制約、できること、などが想像でき、「レンタカー」と「自家用車」ぐらいの違いにとらえられるかもしれないが、まだまだ、一般的な視点からしてみれば「電車」か「自家用車」くらいの違いがあるのではないか?

しかしながら、この記事にもあるように、「レンタカー」と「自家用車」が例にも挙がっているように、そのような視点でしか違いがないととらえる人が多いような気がする。特に「コスト」「コスト」といっているうちには・・・

「レンタカー」と「自家用車」では、たとえば「ヴィッツ」に乗ったとしても、同じ車なのでそのファンクションは変わらない。
変わるのは、コストと思ってしまっても当然だろう。しかし、「電車」と「自家用車」であればどうであろうか?
基本的に「移動できる」という概念は変わらないが、好きなところから好きなところへ移動するという視点で見れば、全然違う。

「SaaS」と「自社運用」は、この位には素人感覚でも違うと思う。
そうなってくると、単純な「コスト」として比べられるだろうか?

もっと、大切なのは「目的」と「成長戦略」ではなかろうか?

「電車」で生活するということを考えれば、当然、駅前に住むことを前提に生活が成立する。
また、都市部の方が電車での生活はしやすいだろう。
そうなると家賃が高いが、これを、移動というコストに完全に転嫁できると思うだろうか?
移動というコスト以外にも、都市部にいるということは、それ以外にもメリットもたくさんあるのだ。

また、「自家用車」で生活すると決めてしまえば、必ずしも、「都市部」で生活することを前提に考えなくてもよい。
いつでも、気ままに好きな場所に自分で決めて移動したいと考えれば、「電車」での移動はあり得ない。

とここまでは、要するに、契約者側のたちばのみを考慮したが、今度は提供元の都合も入れて考えてみよう。

純粋に、自社の管理コストを「SaaS」か「自社運用」かといえば、「SaaS」がいい!となるのが今の風潮だろう。
でも、それは、「SaaS」を提供している側がより正論を言えるための有利なベンチマークなのだ。
たとえば、自社のサービスの一部をIT化してそれを提供しよう。その際に、「SaaS」の利用がいいのか?「自社運用」がいいのか?
というケースの場合だ。

この時に、「SaaS」の利用は、コストを低く抑えられ、お客により低コストで提供できるかも知れない。
しかし、みんなが「SaaS」を使えば、同じなのだ。そうなれば、それ以外に「付加価値」を求められる。
もちろん、そこで、「SaaS」に頼らない場所で「付加価値」を提供できれば問題ないが、よりITに密着し始めると、
「自社運用」で踏ん張ってきたゆえに、できる「付加価値」というものが注目される可能性もある。

そうなると、いきなり競争のための「初期投資」を求められてしまうこともある。

そして、もうひとつの盲点がある。
「SaaS」を提供している会社がサービスを行いだせば、「競合」になる。
ということだ。

「SaaS」を行っている会社だって、順風満帆でそのインフラ事業だけでとどまっていなければならない理由はない。
より、その業界に特化し、実績もつめれば、そこに参入だってしてくる。
とくに、業界No1などが使ってくれ、そして、実績を積んでくれれば、その信用とノウハウをもとに、その顧客の周辺、隙間を狙ってくる。

すでにブランドを確立した業界No1の会社はそんなに影響はないが、あなたの会社はどうだろうか?
「あの、××と同じサービスが、低コストで提供できます。」

当然、ITを駆使することを考える会社はコストとファンクションで勝負をかけてくる。
そんなときに、それと同じステージで勝負しては勝てなくなるだろう。

これは「SaaS」は使うなというわけではない。
「SaaS」というのを単純に「コスト」という一面だけを見てると、ついつい、「コスト」にいろいろな視点が集中してしまい、
結果として「コスト」戦争に敗れるのではないか?という気がするのだ。

あることをしたいが、そこのコストを捻出するために、「SaaS」を利用してコストを浮かしてそちらに回すくらいの気持ちが必要なのではなかろうか・・・・
つまり、コストワールドからの脱却を余儀なくされる時がやってくるのだ。

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