Archive for 2010/3/10
以前、「指定したドメインのメールを受け取る」という話で、
個別に指定したドメインは自分で受け取ってしまうということをやったが、
これの応用版として、「指定したドメイン以外はすべて自分で受け取る」
これは、よく大量メールの配信テストなどをしているときに、適当にメールアドレスを作って、
仮に、本当にそのドメインがあったとしても、外にメールが飛ばないということができる。
このような完全一致ではなく、あるパターンに一致したときには・・・となると、
設定に正規表現を使う方がよりスムーズだ。
そのために、Postfixで正規表現が使えるかを確認しよう。
確認方法
#postconf -m btree cidr environ hash ldap nis pcre proxy regexp static unix
のように、regexpやpcreが表示されれば問題ない。
(これからの例はregexpなので、pcreを使う場合の正規表現は別の形になるかもしれない。)
では、具体的に、あるメールアドレスがPostfixはどのように処理されるのだろうか?
http://www.postfix-jp.info/trans-2.2/jhtml/transport.5.html
を見ると、どのようにメールの配信方法が決定されるかがわかる。
以前は、このmydestinationを使ってしまったので、
非常に簡単にまた、直観的に設定できた。
今回は、virtual_mailbox_domainsを使って、
その設定に正規表現を使うようにする。
まず、正規表現を使う場所を決める。
つまり、どの処理から分岐をするか?ということだ。
そこには、そのまま、virtual_mailbox_domains に、 virtual_mailbox_mapsを使うことにした。
まず、以下のファイルを作成する。
/etc/postfix/virtual_mailbox_maps.regexp
/(.*)/!/(coltware.com)$/ /dummy/Maildir/
(ファイル名にルールはありません。)
これで、coltware.comというサーバ以外のサーバは、/dummy/Maildir/というディレクトリにMaildir形式で保存される。
自分サーバ向けは、mydestinationで指定されているので、このように、すべてに一致(.*)で、
かつ(coltware.com)以外ということにした。
本当に設定する前に、正しく正規表現が動くのかテストしましょう。
postmap -q "テストする文字列" regexp:/etc/postfix/virtual_mailbox_maps.regexp
で、結果(/dummy/Maildir/の文字列)が返ってきます。
もちろん、coltware.comのドメインの場合には、何も帰ってきません。
では実際の設定です。
virtual_mailbox_base = / virtual_mailbox_maps = regexp:/etc/postfix/virtual_mailbox_maps.regexp virtual_mailbox_domains = $virtual_mailbox_maps virtual_uid_maps = static:89 virtual_gid_maps = static:89
ここで、virtual_mailbox_baseは、先ほど、/dummy/Maildir/と指定したときに前に、このパスがつくのだが、
私は設定時に今後も完全にパスを指定したかったので”/”としました。
また、
virtual_uid_maps = static:89 virtual_gid_maps = static:89
は、メールファイルが保存されるときの、uidとgidなので、好きなuid,gidを設定してください。
で、この後に、postfixを再起動してください。
とこのようにすることで、自宅内にたてたテストメール配信サーバも、間違っても自分のサーバにしか飛ばないというわけです。
また、いろいろと正規表現をカスタマイズしていくことで、いろいろと出来てきます。
また、今回は、virtual_mailbox_domainsを使いましたが、あるドメインの配信先をsmtpからlocalに変えるという概念のほうが、よりわかりやすいので、transport_mapsを使ってもいいのですが、自分宛にメールが送られてから、そのメールをどのようにするか?
という設定を含めると、自分的には面倒なので使いませんでした。
余談:
これは本文とはまったく関係がないのですが、クラウドなどでよりサーバの設計はアプリケーションエンジニアのほうに仕事が移ってくるでしょう。
それに、このような要件は、サーバ構築で発生するわけではなく、機能定義で出てきます。
したがって、アプリケーションエンジニアがミドルウェアがどの程度までできるか?ということを把握することは非常に大切です。
また、これらの要件がまっさらから作ろうとすると非常に多くのコストがかかってしまいます。
クラウド時代の到達とともに、アプリケーションエンジニアが、サーバ構成・システム構成から設計できることは、スピードとコストを最大限にするためにも、今後ますます重要になってくるのではないでしょうか?

